「藤ノ木古墳の装身具について」 卜部 行弘氏(博物館)
「藤ノ木古墳の被葬者像」 前園実知雄氏(奈良芸術短期大学)
例会たより | |
10月の例会は、秋期特別展 (金の輝き、ガラスの煌き-藤ノ木古墳の全貌-)に伴う研究講座でした。 まずこの特別展を担当された卜部行弘先生の「藤ノ木古墳の装身具について」のお話。1988年第3次調査での石棺内の遺物取り出しに実際に携わられただけに、臨場感あふれる沢山の体験談は私たちを魅了しました。出土した装身具が従来のヒスイや碧玉などの硬玉系石材ではなく、金属製品とガラス製品のみで構成されていたこと、しかし鏡は古墳時代前期以来の習慣を守り、頭元に置かれていたことなど六世紀後半のモードの変化が感じられます。 休憩の後は前園実知雄先生が「藤ノ木古墳の被葬者像」についての又興味あるお話。あくまでも 〝像〟ということで政権争いの犠牲になった穴穂部皇子と宅部皇子に絞り込まれました。 司会の千賀先生を含めての終始楽しい雰囲気の講座で、三百余人の有意義な秋の一日でした。(藤原三津子) | |
「藤ノ木古墳の被葬者像」 前園実知雄氏(奈良芸術短期大学) | ![]() |
講堂の外にまで椅子を並べるほどの満員の聴衆 | ![]() |
(写真 暦利 和子) |