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研究所講堂
「土器から見た前期古墳」 小池香津江(博物館)さん
「古墳時代の始まり」 酒井龍一(奈良大学)教授

4月例会は春期特別展「大和と東国」に伴う研究講座でした。
 博物館へ移動された今尾さんの司会で、1時より開始。新館長の河上館長の「積極的な博物舘へ」とたのもしいご挨拶。
そして今回の企画をされた小池さんのお話し。
 出現期の古墳祭式に使用された土器、特に二重口縁壷、S字状口縁台付襲の流れを追うことで、大和、東海、関東、東北の各々陸路、海路経由での関わりを語られました。図録大活躍/
 大和だけで作られたものはなく、他地域の物をとり入れ、まとめて他へ発信したのではないか。それが前方後方墳の地域との対立で-はなく「ヤマト政権を支えた力」として連合の関係ではなかったかと結ばれました。
 続いて小池さんの恩師で、奈良大学教授酒井龍一先生の「古墳時代のはじまり」川柳作家? らしく、現代考古学界への警告、文字があった時代にもかかわらず、墓誌が出土しない現状から個人の墓でなく別の意義があったとする「匿名希望」古墳論、等々笑いの内に独自の考察や厳格な考古学の基本姿勢を示され、睡魔が壊う隙もありませんでした。
 終了後、めったに会う機会のない遺物を再確認するため、博物館へ急がれる会員が多く見かけられました。
 難しいと言われた土器の話しですが、個々の特徴がとらえられ意識して見ることの大切さがわかった有意義な講座でした。それにしても、東海の土器の広がりの多様さはどうでしょう/
 先生方ありがとうございました。
 「歩く例会」が無理な方も「聞く例会」にはご参加下さい。今回の参加者は約300名。  (桂田克美)